第3話
僕はもしかしたらあの子猫が家の近くにいるんじゃないかと思ったので
「ちょっと散歩してくる」と言って家を出た。
あちこちいそうなところをみてみたが、やっぱりいない。
「いるわけないよな」と思い、あきらめてまた家に戻った。
外はほとんど暗くなっていて、電灯がつき始めた。
気がつくと、いつのまにか外は雨がふりはじめていた。
そんなにひどくはなかったのだが、結構降っている。
また、子猫のことが心配になってきた。
心配しても仕方ないのはわかっていたけど、それでも心配だった。
そうこうしているうちに父が会社から帰ってきた。そして夕食の時間。
「とうちゃん、今日可愛い猫がいたんだけど」
「ほう、そうか」と返事はしたが、ほとんど僕の言うことは耳に聞こえてない。
「誠(僕の名前)、いいかげんにしなさいよ」と母はあきらめの悪い僕をたしなめた。
その時、「ニャ〜」
「あれ、今猫が鳴いた、チョット見てくる」と急いで玄関をあけて見てみた。
なんとあの子猫がいるではないか。
それもびしょ濡れになってる上に、よくみると足に怪我してるみたいだった。
真っ白な足が真赤になっていた。おもわず僕はその子猫を抱きしめた。
「オマエ、どうしたんだ?このキズ」
すこし弱ってるみたいだった。
「とうちゃん、かあちゃんちょっと来てよ!早く 早く」
「なんだ、さわがしい!」といいながら父は重い腰をあげ、
その後から母も来た。
「この子猫だよ。見て。怪我してるんだ。それでもここまで来たんだ」
と僕はもう必死だった。
「あら、大変。お父さんどうします?」母もさすがに心配していた。
「う〜ん。こりゃちょっとほっとくわけにもいかんな」
「とうちゃんが手当てしてやる。誠も手伝え」と父は子猫を抱いて言った。
「とりあえず家においてやるが怪我がなおるまでだからな」という父の言葉に僕は
「うん、わかった!!ありがとう やった!」と叫んだ。
母が小さな声で僕に「よかったわね。」と言って微笑んだ。
基本的には父も母も動物が好きなのだが、
それでも動物を飼わないと言うのには理由があった僕はその理由をしらなかった。
なにはともあれ、その子猫は僕のうちにめでたく居候?することになった。
つづく・・・。
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