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空はからりと晴れている。気象庁の宣言はどうなのか知らないが、梅雨は明けたのかもしれない。珍しく、肌にまとわりつくような湿気もない。
そこで俺は、いつものように実家から金魚をくすねて道端で売り捌いていた。
「えー、ちっちゃーい。これ子ども?」
「子どももおるけど大人もおるよー。きれーやろー。丈夫な種類やから、結構世話も簡単やで」
「えー、そーなんや。ふーん、かわいー」
通りすがりの女子中学生は、そう言って、小さなプラスチック容器をつついた。中に一匹ずつ入っている金魚たちは、素知らぬ様子で、狭い水の中で優雅にたゆたう。
女の子たちは、笑いかけると素直に笑い返してくれる。ああ、可愛い。
ふと、一人が俺の横の小瓶に気付いた。
「それ見せて?」
「あー、ごめんこれ、俺のツレやねん」
「ええ?」
冗談と思ったのか、他の子たちもけらけらと笑う。俺も、にっこりと笑った。壜の中のアカネだけが、不満そうにくるくると泳いだ。
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