「ふぁ……」
まだ風が冷たく感じる季節。私は嫌々ながらも温もりを残した布団から起き上がった。空気は冷たく冷えてて、すぐにでも布団の中に戻りたいけど、時間はそれを許してはくれない。
「あ、今日が初日か……」
他の町から転校して来た私、神月瀬羅(カンヅキセラ)は呆然としながらもボサボサの髪を弄繰り回していた。だけど、そんな事をしていれば時間は過ぎ去って行く。やっと完全に覚醒した時には既に時刻は7時40分。時間の猶予はほとんど無くなっていた。
「って暢気に言ってる場合じゃないよね私!」
新しい学校の制服を身に纏いながらも急ぎながらパンを口に銜えて走り出す。家は静かだ。住んでいるのは私だけなのだから当たり前なのだけど、やっぱり少しだけ寂しい。
「行って来ます!」
誰も居ない家にそう言いながら私は玄関から飛び出た――。
この一日から、私の物語が始まった。長い長い。とても長い時間をかけた物語のプロローグでここで始まった。
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